三鬼大権現と旧三鬼堂
『三鬼大権現』その神様とは権現とは仏や菩薩が衆生を救うために、仮に日本に神として現れたのだという思想に基づきます。
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追帳鬼神(ついちょうきじん)
「福徳」の徳を司る大日如来(だいにちにょらい)の化身で、真言宗では最も大切な仏様です。宇宙を現し金剛界と胎蔵界、男と女、陰と陽、人と仏様の一体化を意味し、安産・良縁祈願、健康と財福あらゆる幸福のご利益があります。
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時眉鬼神(じびきしん)
「知恵」の徳を司る虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の化身で、暗記、(空)そらんじる力が付く。すなわち学業向上、芸術・技術向上、合格祈願のご利益があります。
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魔羅鬼神(むらきしん)
「降伏」の徳を司る不動明王(ふどうみょうおう)の化身で、真言密教では大日如来の命を受け悪魔退散、煩悩を払い、災難に打ち勝つ。交通安全、家内安全、開運厄除、諸願を成就します。
三鬼大権現様はさらに太郎坊、次郎坊をはじめとする日本全国の大小天狗を眷属に随える鬼神です。
三鬼大権現の御真言
『オン・アラタンノウ・ウン・ソワカ』
この御真言を唱えれば、大宇宙の偉大なる神通力を以って
私達の心願をかなえる霊験あらたかな権現様です。
旧三鬼堂について
旧三鬼堂は昭和五年に建立され、三鬼大権現は当山の鎮護、仏法擁護のために宮島の弥山、真言宗大本山大聖院より勧請され、分霊をむかえ祀られておりました。
霊峰弥山は大同元年(八〇六年)千二百年前、唐から帰国した弘法大師空海に開創され、そこには修行された護摩の灯『消えずの火』が護り続けられております。
こちら松笠観音寺においては、弘法大師空海が自ら掘られた井戸が境内東南にあります。こんこんと湧き出るその『水』は万病を癒す名水として参拝、登山者に愛飲され、『龍水池・弘法水』として護っております。
弥山と松笠山は直線距離にすれば約二五キロ。
松笠観音寺は現在の広島城の東北の鬼門に位置し、松笠山と広島城そして弥山は、奇しくも直線で一本の線上にあります。
したがって旧三鬼堂は昭和五年に建立されましたが、それ以前は松笠山より弥山に向い、祈願遥拝所としての歴史を刻んでまいりました。
三鬼大権現の例祭は毎年五月に厳修され、弥山同様『三鬼さん』として、親しまれておりました。
三鬼堂全焼
しかし、平成二十年三月十三日午後四時頃、不審火により残念にも全焼いたしました。
現在のお堂は平成二十年四月二十九日、山々に法螺貝の音鳴り響くなか、仮堂としてここに開眼法要が厳修され、大火にも耐えられた権現様の一部が奉納されています。
今後とも三鬼大権現様のご加護をいただき復元、復興に向け努力してまいる所存です。皆様の力強いご支援、ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。
三鬼堂復元事業報告
平成20年3月13日 三鬼堂全焼から早くも一年が経過いたしました。
未だ火災原因も判明せず復元には至っておりません。
しかし、準備は地道ながら着実に進行いたしております。
今後とも皆様のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。